12. 「部品管理台帳」の完成ー1

販売管理システム

試行錯誤の毎日を繰り返しながらも、何とか「部品管理台帳」の完成が近づいてきました。

当社の業務の中核となる部品管理台帳は、部品マスタとしての役割だけではなく、発注から入荷・販売の履歴を含んだ 販売管理システムの中核ともいえるものです。

その為、社長からも台帳内に収める情報量についての要望も多く、画面内には収まる範囲ではありませんでした。

ここでFileMakerのレイアウト機能 として役立ったのは、タブ機能 です。

上部の「タブ」を選択する事により、同じ画面内でタブ内の表示内容に切り替える事ができるのです。

これで、単価の登録や 加工業者の登録など、通常表示する必要のない部分をタブに収める事ができます。 通常は図面が外観図等を表示するタブを起動時に選択するように設定しておけば、限られた画面を有効活用する事ができます。

そして、管理台帳を作り始めてから理解したFileMaker の使い方として、 レコード内にレコードを設定できる事です。 ちょっと自分でも何を言っているのかわかりませんが、 例えるならば年賀状ソフトの住所禄で 1人分毎のレコードがあり、その中には、氏名や住所などといった入力枠「フィールド」があります。

そのレコード内に 新たなレコードとして、「家族構成」といったレコードを追加できるという事です。

レコード内に家族を登録するフィールドを設けてしまうと、設定したフィールドの数しか家族名は打ち込めませんが、別レコードで追加すると、ある意味無制限に追加可能ですし、そのレコードに対して新たなフィールド(誕生日・性別等)を追加する事も可能です。

当社の使い方でいうと、 仕入れ部品の数量によって 多くの単価登録が必要なので、 仕入れ単価登録を別レコードで登録すると、 仕入れ業者名・ロット数・単価 の登録が可能になり、発注作業時は、 このレコードから仕入業者を参照する事で、関連する単価が表示されるようになります。

また、入荷・出荷の履歴も同様でに台帳内に履歴を表示させる事が可能になり、計画していた「部品管理台帳」の利用方法が十分に達成できそうです。

こうしてFileMakerで本格的な業務用システムづくりの 第一弾として「部品管理台帳」が完成しました。

今まで使用していた紙の管理台帳にある情報はすべて登録可能で、重いバインダーを棚から取り出さなくても、デスク上で処理可能になります。

ここからが開発者以外の参画が重要になります。

さて、取り急ぎ「部品管理台帳」は完成しました。  しかし肝心な部品マスターはほぼカラの状態です。

各部品の図面や加工業者、仕入単価・販売単価、 そして現在の在庫数が入力されていないと折角のシステムも役に立ちません。  今後、「部品管理台帳」を基にデータベースを構築していくためにも、まずは部品マスターの登録が必須になります。

通常、企業で販売管理システムを導入した場合、膨大な商品マスターは 臨時スタッフ等を呼んで一気に入力したりするのかもしれませんが、当社では地道に自分たちで入力する事にしました。

精密な加工部品や単価に関する情報ですので、人任せにはしにくかった事と元の紙台帳の内容が担当している者でないと理解が難しい場合もあった為です。

ここでの問題は、部品マスターの登録がある程度完了するまでは、今まで通りの紙台帳を用いた業務と、FileMakerへのデータ入力作業が平行してしまう点です。

受注が大量に来て忙しい時に、業務を行いながらもFileMakerにも登録していく必要があるため、逆に今までより業務が大変になってしまいます。 システム化による今後の改善や展望が見えている者からすれば頑張る事もできますが、システム化へのメリットが十分に理解できていないと、ここで躓いてしまいます。

システム導入初期の社内でのコミュニケーションが成否を分けるポイントとなります。

当社では、幸い社長自信が地道に登録作業を続けていき、数カ月もすると 通常流れている部品の大半はマスターが登録されている状態までたどり着きました。

今まで壁一面にあった部品管理台帳の内容がパソコン画面一つに収まり、一瞬で検索し開く事ができるようになったのは、当事者からすると感動ものです。  電話を受けながらバインダーに手を伸ばしてページを探していた事や、在庫の確認に倉庫まで走る事がなくなった事が大きなメリットです。

( 困難な道のりはまだまだ )つづく・・・・

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