ハード面は充実しましたので次はソフト作成に取り掛からねばなりません。 ただし繰り返しますが、この時点ではFileMakerでの販売管理ソフトの作成方法はともかく、データベースの構築に関する知識は限りなくゼロに近い状態からのスタートであります。
ただ、流石に自身で販売管理システムを作成すると大見得を切ったからには、関連書籍ぐらいは購入(1冊だけ)しております。 しかし、私はマニュアルを先に読んでから作業を始めるという事が嫌いなので(面倒)、とりあえず使い初めてみてわからない事があれば本で調べるという進め方が定着しているので、まだはじめの数ページしか読んでおりません。
この時点での私理解では、データベースやデータベースの管理ソフトは、「年賀状ソフト」のようなものだと思いました。 私の住所録データフォルダ全体を“テーブル”、住所録データ1件を“レコード”。 そして、郵便番号や住所、宛名等のそれぞれの項目を”フィールド“と呼ばれるデータベース共有の呼び名があるという事と、FileMakerで年賀状ソフトのような物を自身でも作る事ができるという事を知りました。
解説本を読むのが嫌いな私がソフトの使用方法を一番手っ取り早く覚える方法は、「すでにあるソフトを元に自身のソフトを作ってみる」事です。
ホームページの作成にチャレンジした時も、既存のテンプレートの中身をさわりながら、どこを変更したらどう変わるのか。 この言語はどういう意味があるのかを実際に触りながら覚えていき、HTMLやスタイルシート、CGIを初めから作成するまではできなくても、ある程度重い通りに修正できるようになれたように、FileMakerもすでにあるソフトを自分の求める仕様に改造していく事にしました。
では、初めに何を作るかを考える必要があります。
いきなり大掛かりな物を作るのは無理があるので、FileMakerに付属している既存のソフトを色々見ながら考えました。 社員の名簿を管理するソフトや、在庫管理ソフト、見積書作成用のソフトなどのサンプルが用意されています。
データベースソフトを作成するためには、登録されるものの情報も必要になるので、あまりデータ量が多くなる物を作るのは大変そうです。 ここで思いついたのは、「検査用ゲージ管理ソフト」を作成するという案でした。
加工業者に発注する切削加工部品には、様々なサイズの ネジも加工されています。
特殊なサイズのネジの加工には、専用のゲージを使用して正しく加工されているかを検査するのですが、特殊なサイズは加工業者もネジゲージを保有していないので、加工発注時に貸し出す必要があります。
OSG ねじ用限界ゲージ JIS2級 LGGPWP M4.0×0.7
発注時にネジゲージの在庫があるのか、現在どこにあるのかを把握していないと紛失や貸出や社内の検査ができないのですが、事務所にいては把握できない為、都度検査作業を行っている場所に確認にいく手間が発生していました。
また、検査用ゲージは高価で、上の写真の様なごく一般的なサイズのゲージでも1万円以上しますので、特殊なサイズのゲージはさらに高価になります。
いざ作成開始
ネジゲージ全体の在庫は以前にエクセルデータ化していた為、マスタの作成はスムーズにいきそうです。 と、いう事で FileMakerで作成する初めての管理ソフトは「ネジゲージ管理システム」に決定しました。
データベースを構築する際には、全体の構成や仕様を検討して設計図のような物を作るのがよいのですが、今回のネジゲージ管理ソフトは単独での流用を予定しています。 つまり、使用するデータベースが他のソフトと連動せずに、ネジゲージ管理ソフト内のみとなる予定ですので、設計・構成案は特になく、いきなりの作成を試みます。
使用するFileMakerのサンプルソフトは「資産」というファイルを使用する事にしました。 自社で保有する資産の状況を管理できるソフトで、写真を保存したり、貸出等の出庫・返却を記録する事ができるようです。 今回のネジゲージ管理には最も適していると判断しました。
サンプルファイルを開いて詳しく見てみると、登録した資産(ゲージ)を検索したり、出庫・入庫を選択する事ができ、また在庫管理とは違いあくまで資産ですので、既存の資産を持ち出した・戻ってきたという管理を行う事ができる為、レイアウトやフィールド名を変更していけば、大きな修正を加えずに使用できそうだと思いました。
そこで、今回の目的は次の通りになります
■社内のネジゲージを登録できる 写真登録やゲージの種別・サイズで検索できる
■ゲージ種別のマスタは既存のエクセルデータを使用する
■主に検査室で使用する為 iPadで使いやすいシステムにする
■検査室で作業するPC・タブレットの使用に不慣れなスタッフでも使いやすいものにする
■事務所のパソコンからもネジゲージの在庫が把握でき、電話での貸し出し依頼に対応できる
以上が今回のデータベース化の第一歩としてのソフト作りの目標となります。
FileMakerを購入し、社内全体にデータベース管理ソフトとはどのような物か
また、FileMakerによるIT化が便利で快適な物であると、全員に受け入れて貰えるようになる為の重要なサンプルになります。
( 困難な道のりはまだまだ )つづく・・・・