Vol.6 ~習うより慣れろ!最初のアプリ開発~  

【自社開発DX】FileMakerで実現した「小さく始めて大きく育てる」販売管理システム刷新プロジェクト

 

1. 知識ゼロからの「実践主義」開発スタート

ハードウェアの整備は完了しました。次は、いよいよ魂となる「ソフトウェア(販売管理システム)」の構築です。 しかし、ここで改めて白状しますが、この時点での私のデータベース構築スキルは**「限りなくゼロ」**。 一応、形から入るタイプなので参考書を1冊購入しましたが、マニュアルを読破してから着手するのは性分に合いません。「とりあえず触ってみて、詰まったら調べる」——かつてWebサイト制作を独学した時と同様、既存の成果物を解析・改造しながら覚える「リバースエンジニアリング」的なアプローチで挑むことにしました。

2. データベースの正体は「年賀状ソフト」?

開発を始める前に、まず「データベースとは何か」という概念を自分なりに腹落ちさせる必要がありました。 色々と触ってみて辿り着いた結論は、**「要するに、高機能な年賀状ソフトのようなものだ」**という理解です。

  • テーブル(Table): 住所録データそのもの(フォルダ)。
  • レコード(Record): 宛名1件分のデータ(カード)。
  • フィールド(Field): 郵便番号や氏名などの入力項目(枠)。

専門家からすれば乱暴な解釈かもしれませんが、この「年賀状ソフトのアナロジー」を得たことで、FileMakerという未知のツールがぐっと身近なものに感じられるようになりました。

3. 最初の一歩:ターゲットは「ネジゲージ管理」

いきなり壮大な「販売管理システム」を作るのは、スキルの面でもリスクの面でも無謀です。まずは手頃な規模のアプリで成功体験を作り、FileMakerの有用性を社内に証明する必要があります。 そこで選んだ最初のテーマが、**「検査用ネジゲージ管理システム」**でした。

開発対象に選んだ理由

  • 課題の明確さ: 特殊な切削加工で使用する「ネジゲージ(測定器具)」は高価な資産ですが、外注先への貸し出しや社内移動が頻繁で、所在不明になりがちでした。
  • アナログ管理の限界: 現状は、事務所から離れた検査室まで行かないと在庫や貸出状況が分からず、確認のたびに移動コストが発生していました。
  • データ規模: 販売管理に比べて扱う情報量が少なく、既存のExcel台帳をマスターデータとして活用できるため、入門用に最適でした。

4. テンプレート活用術:既存アプリを「改造」せよ

イチから設計図(ER図など)を引くのはハードルが高いため、FileMakerに標準搭載されているサンプルテンプレート(Starter Solution)を活用する作戦に出ました。 目を付けたのは**「資産(Assets)」**というテンプレートです。

このテンプレートには、備品の写真登録機能や、すでに完成された**「チェックアウト(貸出)/チェックイン(返却)」**の機能が備わっています。 「これをネジゲージに置き換えれば、ほぼそのまま使えるのではないか?」 私の読み通り、これは今回の要件に完璧に合致していました。あとはフィールド名を変え、レイアウトを調整するだけで、求めていたシステムが作れそうです。

5. 目指すは「現場ファースト」のMVP(実用最小限の製品)

こうして、最初のアプリ開発のゴール(要件)が定まりました。

  1. 一元管理: 社内の全ネジゲージを写真付きでデータベース化し、サイズや種別で検索可能にする。
  2. データ移行: 既存のExcelデータをインポートし、マスター作成の手間を省く。
  3. モバイル対応: 検査室のiPadで手軽に操作でき、PC操作に不慣れなスタッフでも直感的に使えるUIにする。
  4. リモート確認: 事務所のPCからもリアルタイムで貸出状況・所在が把握できるようにする。

これは単なる練習ではありません。 「FileMakerによるIT化は、こんなにも便利で快適なのか」 そう全社員に実感してもらい、本丸である「販売管理システム」への移行をスムーズに受け入れてもらうための、重要な**デモンストレーション(PoC)**なのです。

(続く)

【編集協力】 このプロジェクト記録の文章表現は、Gemini(Google AI)による構成案の作成および校正支援を受けています。

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